中学から数学だいすき!

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後件否定・対偶による証明

 A → B (AならばBである)において、前にある条件Aを前件、後のBを後件といいます。このとき、「AならばBで、Bでなければ、Aでない」という後件否定の関係がなりたちます。

 後件否定: 〔(A → B) で −B〕 → −A

 この関係は、つぎの図から理解できます。Aをカラス、Bをトリとすると、「カラス→トリ」です。どんなカラスもトリに含まれるからです(カラス⊂トリ)。
 そして、「トリでない」(大円の外側)は、「カラスでない」(小円の外側)に含まれるので(トリでない⊂カラスでない)、「トリでない→カラスでない」がいえます。

    後件否定・対偶

 「カラス→トリ」と「トリでない→カラスでない」は論理の上で同じです。この一方からいえる他方を、対偶(たいぐう)といいます。

 対偶: A → B ⇔ −B → −A  (⇔: 双方向の「ならば」)

例1: クモが昆虫ならば、クモの足は6本です。クモは昆虫でないを、後件否定によって証明してください。

 クモが昆虫ならば、クモの足は6本である。  ( A → B )
 クモの足は8本で、6本でない。  (−B )
 よって、クモは昆虫でない。  (−A )

例2: クモが昆虫ならば、クモの足は6本です。クモは昆虫でないことを、対偶によって証明してください。

 対偶から、
 クモの足が6本でないならば、クモは昆虫でない。  (−B→−A )
 クモの足は8本で、6本でない。  (−B )
 よって、クモは昆虫でない。  (−A )

練習
1. つぎの証明は個別化の原理、後件否定、どちらによりますか。

  奇数+奇数=偶数 ならば、5+7 も偶数である。

  すべてのカラスが黒いならば、コクマルガラスも黒いはずだ。
  しかし、コクマルガラスは白黒まだらである。
  よって、すべてのカラスが黒いとはいえない(黒くないカラスもい
  る)。

2. 三辺の長さが A、B、C (最長)のとき、直角三角形ならば、A2+B2=C2 です。3辺の長さが8、14、16の三角形は直角三角形でないことを、対偶によって証明してください。

答 え











答え
1.
 個別化の原理 
 後件否定

2.
 「直角三角形 → A2+B2=C2」 なので、
 対偶から、「A2+B2≠C2 → 直角三角形でない」がいえる。
 A2+B2=82+162=260 で、C2=162=256 である。
 A2+B2≠C2 なので、直角三角形でない。


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